関電黒部ルート見学会その4 上部専用鉄道編

2015年08月29日 05:00



その3の続き。

上部専用鉄道は、黒部川第四発電所の建設時に欅平から物資を輸送する際、
黒部川沿いがあまりにも険しいため地表に道をつける事が出来ず、
地中を貫いて敷かれたトンネル鉄道です。
宇奈月~欅平間を走る黒部峡谷トロッコも、
元は黒部川水系の発電所群建設用に敷かれた軌道です。

くろよんで乗り込んだトロッコは、途中、仙人谷という橋上駅で停車しました。
屋根とアオリ式の壁があるのが、いかにも豪雪地帯の駅ですね。





橋から見える仙人谷ダム。
このダムを見る事が出来るのは、
関電の関係者と、この見学会の参加者と、登山者だけです。





欅平~黒部ダム間のルートは、今回見学している関電専用路以外には、
下ノ廊下と言う、上級者向け登山道しかありません。
下ノ廊下は、大正時代に黒部川水系の発電所建設調査の為に切り開かれた断崖絶壁の歩道で、
今でも関電が維持管理し、登山者に開放しています。

下ノ廊下は、踏破するのに2日かかる長丁場、エスケープルートなし、
断崖をツメで引っかいた激細道で、毎年のように滑落事故もあります。
しかも残雪や崩落で、通行できる状態に整備するのに手間隙がかかるため、
1年で1~2ヶ月の間しか通れないという、
もうネタとしか思えないほどの過酷なルートとして、
登山者の間ではとても有名な登山道です。





仙人谷ダムの奥に大きな滝が見えます。
雲切の滝です。

ちなみに仙人谷ダムは、下ノ廊下の一部であり、
登山者はダム内を通って対岸に渡ります。





仙人谷ダムを発ったトロッコは、すぐトンネルに入り、
「高熱隧道」と呼ばれる難所にさしかかりました。
すると、地中で涼しいはずなのに、どんどん暑くなってきました。
洞内は40℃くらいの暑さで、強烈な硫黄臭でクラクラします。

高熱隧道は、160℃を越える高熱の岩盤地帯を掘削する難工事でした。
黒部川から冷たい水を汲み上げて、工員に掛けながらの作業だったそうです。
大町側の関電トンネルの破砕帯突破は、
黒部の太陽やプロジェクトXで有名ですが、
こちらも同等の難工事だったのに、あまり話題にはなりません。
この難工事を描いた「高熱隧道」という小説が刊行されています。

トンネルの掘削面は硫黄質で非常に脆く、
風化が激しい箇所はカルバートで補強されています。
↑の写真は、走行するトロッコから撮った、硫黄壁とカルバートです。





欅平上部駅に到着しました。
ここから竪坑エレベーターで、一気に200mほど降ります。





竪坑エレベーターを降りたら、再びトロッコに乗って、欅平に向かいます。
ここでは、たくさんの関電の従業員さん達との相乗りです。





トロッコに乗って数分で、欅平駅に到着。
ここは黒部峡谷鉄道の終点駅でもあり、
宇奈月温泉からトロッコでやって来た観光客がいっぱいです。

地上に帰ってきた!俗世界に帰ってきた!





という事で、14時頃に黒部峡谷鉄道の欅平駅でゴール。
本当に勉強になった見学会でした。
今でも関電の人達が、先人達の黒部川水系の開拓を誇りにしている事、
難工事を突破した大和魂を大切にしている事が、よく伝わってきました。
関西電力さん、本当にありがとうございました!

これで見学会は終了しましたが、私達の冒険はまだ続きます。
これから目指す先は、欅平の更に奥にある、秘境温泉・祖母谷温泉!



番外編その1に続く!


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